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「関西電力の新エネルギー開発は、いま?」

2004.04.01
中島宏



 グループ経営推進本部新エネ発電・環境ビジネス推進グループ 
 チーフマネジャー 中島宏



風力、太陽光など環境にやさしい新エネルギーの開発・普及に、電力会社が本腰を入れている。関西電力も風力発電事業者と業務提携するなど、導入に積極的だが、いまなぜ新エネなのか──グループ経営推進本部新エネ発電・環境ビジネス推進グループの中島宏チーフマネジャーに訊いた。

――電力会社はこれまで、原子力主体で、新エネルギーの開発にはあまり熱心でなかったような印象があるが? //////////
それはかなり誤解のある話だ。例えば関西電力は、かつて六甲アイランドに日本最大級の太陽光発電の実験設備を持ち、普及し始めた頃には営業所などに率先して導入した。六甲ではまた風力発電の実験も行っていたし、燃料電池にしても20年以上前から開発に力を入れてきた。さらに太陽光や風力でつくった電気を10年以上も前から、積極的に購入したり、新エネ発電設備の建設を助成する「関西グリーン電力基金」に積極的に協力するなど普及を後押しする活動も随分やっていて、黎明期から普及期を通じ、突破口を開いてきたという自負がある。ただ、メーカーなどと違い、こうした取り組みをあまりPRしてこなかったので、知られていないということだろう。

――なるほど。だけど近年は目に見えて力を入れてるように見えるのは、どういう理由? //////////
それはRPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)の影響が大きい。2003年4月から施行されたRPS法は電力会社に対し、一定割合以上の新エネルギー利用を義務づけるもので、我々は2010年の段階で販売電力量の1.35%を、太陽光、風力、小水力、地熱、バイオマスといった新エネルギーで賄うことが義務づけられている。ただ、電力会社から見れば、RPS法にはまだまだ課題が残されていると言わざるを得ない。なぜなら新エネルギー利用はCO2削減が大目標であるはずなのに、RPS法は日本国内だけのクローズドな法律で、国際的なCO2削減の仕組みを有する京都議定書との法的な連携はない。また対象が電気事業者だけで、同じようにCO2を排出している自家発電等は対象外とか・・・・・・。しかし、それはともかく施行された以上、遵守できるよう全力を挙げていくつもりだ。

――風力発電事業者のエコ・パワーとの提携も目標達成のため? //////////
もちろんそうだ。当社の場合、2003年度実績では新エネルギー利用量は6.1億kWh、割合にするとまだ0.4%程度なので、2010年度までに3倍以上に増やすのは、並大抵のことではない。今後は、自らも積極的に開発していかないと目標達成は難しい。とはいえ、風力発電ビジネスは完全な自由化分野。プレイヤーも多く競争が激しいうえ、初期投資の回収には10年以上かかる。リスクも大きく、非常に難しい仕事だ。こうした事業を今後推進するにあたって、国内最大級の風力発電事業者であるエコ・パワーから得られるものは大きいと考えている。

――関西電力からはどんな技術・ノウハウを提供するのか? //////////
一つは送変電ネットワークに関する技術。風車も1本だけなら電柱の上の配電線につなぐだけでいいが、20本、30本の大容量になると、変圧器で昇圧して送電線につなぐ必要がある。この「つなぐ」技術と、もう一つ、電源開発と安定供給のノウハウ。1951年の会社発足以来、半世紀以上お客さまに安定した電気を送り続けてきた電気事業のノウハウと、エコ・パワーの持つ風力開発ノウハウを上手く組み合わせれば、かなりいい線までいけるんじゃないかと思う。

――しかし風力発電などの新エネルギーは、立地や気象条件に大きく左右される。候補地点探しも難しいのでは? //////////
確かに、ヨーロッパ諸国に比べ、日本が新エネルギーに消極的と見られてきたのも、地理的条件に恵まれていないことが一因だ。特に風力は難しい。大陸は安定した風が吹きやすいが、山がちの日本は、季節によって北から吹いたり、南から吹いたり。風向きが一定しないから発電に利用しにくい。ヨーロッパでは洋上風力発電所もあるが、日本では漁業権の問題もあって難しいし・・・・・・。加えて、風車の羽根は一体成型。分解できないから、ある程度広い道路が通じている場所でないと運搬できない。しかも規模が大きくなると、送電線につながないと使えない。つまり、強い風が安定して吹いて、広い道路があって、送電線の近く──この3つの条件をすべてクリアする場所は、残念ながら非常に限られている。特に関西電力エリアは適地が少ないのが実情だ。

――にもかかわらず、参入者が多いのはなぜ? //////////
初期投資に補助金が出るということが一因だ。今のプレイヤーは、初期投資にかかわるメーカー系か建設工事系が多い。でも、発電設備なんだから建設したらそれでおしまいというものではない。本当に大事なのはきちんと発電しつづけること。当初、物珍しさだけでつくったものなどは、きちんと風況測定もしていなかったために回らず、単なるモニュメントになってしまっている。

――確かに新エネは補助金事業だが、コストダウンの可能性は? //////////
抜本的に下がるような技術上のブレイクスルーはまだまだだ。太陽光など、風力と比べると利用率が半分で値段が3倍。つまり6倍のコストがかかるわけで、補助金なしにはやっていけない。我々は新エネ開発が事業として成り立たないと、最終的にはコストが電気料金に織り込まれ、お客さまに負担をかけることになりかねない。そうならないよう我々自身、事業リスク低減につながる技術開発に必死に取り組んでおり、最近では、レーザー光を使った風況観測装置を開発した。

――では今後の抱負は? //////////
とにかくまずは義務量達成をめざしたい。2010年度まではあっという間。その短い期間で目標を達成するため、自社でできること、他社と協力して行うことを戦略的に組み合わせてやっていきたい。同時に新エネルギー事業の中で、新しいビジネスの芽を探したい。例えば風車の製造は無理としても、販売からメンテナンスまで一貫して行うとか。新エネルギー利用は時代のニーズだし、長期的に見て徐々に増えていくことは間違いない。この流れをビジネスチャンスとし、自らの収益構造に組み込んでいきたい、と思っている。■



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