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村澤 博人
村澤 博人

むらさわ ひろと 顔・化粧文化研究所所長
1948年長野県生まれ。埼玉大学理工学部化学科卒。ポーラ化成工業研究所入社。ポーラ文化研究所設立に参画、同研究所「化粧文化」編集長、主席研究員などを経て、2002年独立。化粧文化史家、化粧文化エッセイスト、日本顔学会理事、国際服飾学会理事をはじめ、立教大学・日本大学・聖心女子大学・松蔭女子大学などの講師も務める。主著「美人進化論」「顔の文化史」「これが『わたしの顔』」など。

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■外見と美の研究(3)
「男も顔の時代」

2003.02.01

昨年の正月、名古屋駅で小泉首相を見かけた友人から「やっぱリファンデーションを塗ってメークしてたよ」と聞いたことがある。選挙のポスターだけでいい顔を見せる時代から、日常的にどう見せるかが政治家にも要求される時代となったようだ。振り返ってみると、20年ほど前はまだまだ「顔じゃない、心だよ」と主張する人が多く、思春期になった息子が朝、洗面所で30分もかかってヘアスタイルを整えている姿を見て、父親が文句を言うのは当然のこととされていた。

その意味で、その後の変化は隔世の感があると言っても過言ではないだろう。 1980年代前半はまだ男性歌手がパール入りのアイシャドーを塗ったフェミニンなメークアップがテレビを通して家庭に入り始めた時代。男性メークが許されたのは特別な人たちであった。そんな時代、1984年11月に男性用メークアップ化粧品が発売され、りりしい男らしさを強調するために眉を太く描いたり、日焼け色の肌に塗るメークアップが提唱された。女性の社会進出は著しく、「男女雇用機会均等法」(1985年成立)が議論されていたころ、家に帰れば「飯、風呂、寝る」としか言わない従来型の古い男性像が崩壊しはじめたのだろう。せめてメークで外見を男らしくすればかつての男性らしさが取り戻せると化粧品会社は考えたようだ。

実際は、そんな古い男性像は若い人の間では支持されず、一方男がメークするなんてという批判もあり、話題にはなったが、男性メークは流行らなかった。しかし、「男も顔、外見も大事」という新たな価値観の助走にはなったようだ。1987年には「しょう油顔」「ソース顔」の大流行。男性の顔が俎上に載せられ、しょうゆだソースだと分類され、玩ばされたのである。このことは、男性も女性と同様に、自らの顔が見られて評価される対象となったことを意味した。「男も顔」の時代になりはじめた。

当時、若い男性たちは肌をきれいに見せるために、すでに石鹸ではなく洗顔料を使い、パックをし、毛深さは不潔だとエステに行って脱毛をするようになった。90年代に入ると、茶髪に染め、眉まで手入れするようになった。

このように、外見作りや顔の見せ方は大きな変化を遂げており、おもしろい研究ができるはずなのだが、外見に対する研究は社会学や社会心理学の一部を除いてたいへん少ないのは残念で仕方ない。■



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