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くろさき みどり  ミステリ作家
1958年兵庫県生まれ。同志社大学文学部英文科卒。大学で推理小説研究会に所属。89年「ワイングラスは殺意に満ちて」で第7回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞。他の著書「聖なる死の塔」「闇の操人形」「棺の花嫁・聖なる血の城」「揺歌」「しゃべくり探偵」「死人にグチなし」「未熟の獣」など。

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■流行前線:ちょっとミステリーな話(1)
「防御服の謎?」

2003.04.15

2003年4月7日は、鉄腕アトムの誕生日だった。新聞やニュースなどでも取り上げられていたから、知っている方も多いだろう。1951年に手塚治虫氏が発表した鉄腕アトムの漫画は、その後の日本の漫画界を大きく変え、外国にも影響を及ぼしている。

テレビアニメが始まったのは1963年、私が5歳の時だった。テレビに夢中になる子供時代に、ちょうど番組が始まったわけだ。鉄腕アトムの影響からか、私はたくさんのテレビアニメを見、漫画を読んで育った。

漫画やアニメの未来像は、決して明るいものではなかった。地球は悪の勢力に支配されていたり、宇宙からの敵の脅威にさらされていたり、放射能や毒ガスで汚染されていたりという状況で、人々は地下に住み、地上に出る時には防御服を着なければならない、という設定も多かった。

アトムが生まれた今年、地球はまだ宇宙人の攻撃を受けてはいない。放射能や毒ガスに侵されてもいない。幸いなことである。だが……。この春は、防御マスクを付け、防御服を着て外を歩いている人を、たくさん見かけている。

杉花粉である。 毒ガスや放射能を防ぐためではなく、今年は例年以上に多く飛散している杉花粉を防ぐために、装備する必要がでてきたのだ。花粉症の治療は開発されているが、まだ決定的なものはないようだ。アレルギーなので、花粉を取り入れないようにする、これが最善策なのである。

杉花粉は人災である。だが、同時に、自然の脅威でもある。自然の手痛いしっぺ返しに、人間はまったく無力だということを、思い知らされている。季候が良くなり、花が咲き始める春、だが、それを楽しめる人が、だんだん少なくなってきている。この季節、外に出たくはないという花粉症の友人が、私の周りには増えてきた。

私が最も恐れているのは、次の世代のことである。私たちよりもはるかに多くの花粉を吸って育っている、若い世代だ。あと5年、10年経ったら、花粉症人口は爆発するのではないか、ということなのだ。

それまでに何とか対処しないと、日本の春を楽しむことは、もはやできなくなってしまうだろう。大袈裟な防御服を着るのは、漫画やアニメの世界だけにしたいものだ。■



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