01 電気を生み出す/水力発電所 193.2万kWを生み出すために〜奥多々良木発電所の巡視点検〜

国内最大出力の揚水発電所「奥多々良木発電所」

四方を清らかな水と豊かな緑に囲まれた「奥多々良木発電所」(兵庫県朝来市)は、山中に6基の発電機を備える国内最大の揚水発電所です。

揚水発電とは、夜間の比較的電力供給に余裕のある時間帯の電気を使って水を上部ダムに汲み上げておき、たくさん電気を使う昼間にその水を下部ダムに落として発電するものです。一般的に発電の開始や発電量の調整がしやすいことから昼間の需要ピーク時の供給力として重要な役割を担っており、発電機1基ならば、ダムからの放水開始後、約3分で電気を送ることができます。(※一般的な火力発電所の場合、数時間から半日程度を要します)

ダムを守ることが私たちの使命

「緊急時に備え、いつでもすぐに発電機を動かせるように」そんな想いをもって、日々、 発電所員は巡視点検にあたっています。

上部ダムでは、貯水池の面積が約100万平方メートル(甲子園球場約26個分)にもなるため、巡視はボートを使って実施。ダムの水位を把握する量水標(水面の高さを測る標識)の清掃や流木の回収、ダムの周りを囲む斜面部分の状態や水質状況の確認など、細心の注意を払いながら行ないます。上部ダムと下部ダムを合わせると、丸一日を要し、冬は降雪もあり、極寒の中での作業となりますが、「193.2万kWを生み出す」という使命感とやりがいを持って取り組んでいます。

昼夜問わず地下発電所の安全・安定運転を守る

上部ダムから下部ダムへ放水するための放水路(全長約4キロメートル)の途中に設置された地下発電所(地下5F)。一般の水力発電所に比べて、上部ダムへ水を汲み上げるなどの機能も持ち合わせることから設備の巡視点検箇所が多くなります。また、昼間は発電運転、夜間は揚水発電を実施するため稼働時間が長い中で、常に安定した運転が行なえるよう、発電所員は昼夜問わず点検作業にあたっています。

巡視点検では、狭い隙間から覗き込んで内部を確認し、油漏れがないか、ボルトの緩みがないかなど、細部まで入念に確認。目視だけでなく、異音、異臭の有無など常に五感を働かせながら作業にあたります。

「機械それぞれに個性があり、それをきちんと把握した上で、個性に応じた対応が必要。自分の子供のように愛着があります。」と発電所員は話します。

このように、"ダムを守る作業員"と"発電所を守る作業員"が、日々、安定供給に向けた努力を継続することで、193.2万kWの供給力を生み出しています。

  • 01 電気を生み出す
  • 02 電気をつなぐ
  • 03 電気を届ける
  • 04 電気をコントロールする
電気をお届けするステップ 01.電気を生み出す 水力発電所