福島第一原子力発電所事故の概要

原子力発電所では、核分裂反応を「止める」、燃料を「冷やす」、放射性物質を「閉じ込める」という考え方で、有事の際にも安全を確保できるように設計されています。

しかし、2011年3月11日に発生したマグニチュード9.0の地震に伴い発生した津波によって、東京電力福島第一原子力発電所では「冷やす・閉じ込める」機能が働かなくなり、重大事故に至りました。

1:地震によって起きたこと/2:津波によって起きたこと

福島第一原子力発電所事故の原因

(図説)

地震発生で原子炉は自動停止しました。
しかし、地震に伴って発生した津波が事故を拡大させ、原子力災害の規模を大きくしたと考えられています。

外部電源や緊急時の電源の喪失

原子力発電所の外部電源に加え、非常用ディーゼル発電機など緊急時の電源も喪失しました。

原子炉、使用済燃料プールの冷却機能の喪失

原子炉が停止したあとに炉心の熱を冷やす設備や、使用済燃料プールを冷やす設備が使用できなくなりました。

全交流電源喪失、燃料からの熱を除去するための海水を取水できなくなる状態が長期にわたり継続し、燃料の重大な損傷、格納容器の破損など、深刻な事態に陥りました。

※ 全交流電源喪失 : 外部電源、非常用ディーゼル発電機の機能が失われ、発電所が完全に停電すること。