電力会社共同の電磁界研究(細胞実験)

細胞増殖への磁界影響

生物の細胞は巧みに調節されながら増殖を繰り返しています。しかしがん細胞については、細胞増殖が正常に制御されていません。もし細胞の増殖が磁界により促されるようなことがあれば、磁界が細胞のがん化のきっかけとなる可能性があります。

実験材料

ヒトのがん組織から分離した細胞

磁界(50Hzおよび60Hz)

楕円磁界:5000ミリガウス

円磁界:5000ミリガウス

垂直磁界:20、200、1000、5000ミリガウス

測定

最初に磁界を作用させる群と作用させない群の細胞の数を同じにし、その状態で実験を開始する。実験後に磁界を作用させた群と作用させなかった群の細胞の数を数え、比較する。

実験の精度を高めるために…

磁界発生装置を2つ用意し、磁界を作用させる群とさせない群に分け、磁界以外の条件をそろえて同時に実験を行いました。1種類の磁界に対して、2~3回の繰り返し実験を行いました。

実験結果

  • いずれの実験においても、磁界を作用させた群と作用させなかった群との間で細胞の数に統計的に有意な差は見られませんでした。
  • 50,60Hzの5000ミリガウス以下の磁界が、細胞の増殖速度に影響を及ぼすことはありませんでした。

調査研究 一覧