MONEY/節約 趣味/教養 印刷
知って得トク!遺産相続・生前贈与の話

平成15年の税制改正で「相続税」と「贈与税」は大きく変わりました。 でも、どう変わったのでしょうか? 普段はあまり考えない税金のこと。 ましてや相続税は、コトが起こらないと直面しない問題ですね。しかし、 事前に対策を取ることで節税することができ、その場になってもスムーズに賢く対処することができます。今回は相続税についての基礎知識と、 自分の子供たちのための贈与税についても、分かりやすくご案内します。

「相続税」とは?

被相続人(亡くなった人)の財産を引き継ぐという行為が「相続」です。 財産を引き継ぐ時にかかってくる税金が「相続税」で、非課税財産や債務などの金額を控除した正味の財産額が基礎控除額を超える場合に、超えた金額に対して課税されるものです。 法的には被相続人が亡くなった日の翌日から相続は開始され、相続税が計算されます。 相続税のことをよく理解して、生前に相続税を計算することで、節税対策が考えられます。 財産を引き継ぐ
「贈与税」とは?

個人が自分の財産を無償で他人に与えるという行為が「贈与」です。 与えられた財産の評価額に応じてかかってくるのが「贈与税」です。 贈与税の課税方法は、従来の「暦年課税」と平成15年度に創設された 「相続時精算課税」から選択することができます。 子供が住宅を購入する時に、親がお金を出してあげると贈与になり、 贈与税がかかってきます。上手に贈与することで、余分な税金を払わなくてもすみます。
「法定相続人」とは?
財産を無償で与える

相続税の基礎知識

どのくらいの財産があると、相続税はかかってくるの?
相続する金額(相続財産)から基礎控除額を引いた額に相続税はかかります。 相続する金額が基礎控除額より少ないのであれば、相続税を払う必要はありません。 つまり、基礎控除額を超えた金額に相続税はかかってきます。

基礎控除額の算出方法=5000万円+(法定相続人の人数×1000万円)
*例:法定相続人が3人いる場合の基礎控除額は、5000万円+3000万円=8000万円となります。
イラスト
どんな財産に税金がかかるの?
お金に換えて計算できる全てのものに、相続税はかかってきます。 相続税がかかる財産のことを「相続財産」といいます。
また、借金など債務も相続財産になります。これはマイナスの財産で、 現金や土地などお金に換算できるものから、引くことができます。 その残りの金額に相続税はかかってきます。例えば、2億円の財産と 1億円の借金がある場合は、2億円から1億円を引いた1億円が相続財産となり、 これに対して相続税がかかってくるということになります。

<相続財産の例> <マイナスできる相続財産>
イラスト現金、預貯金、不動産、株や投資信託など有価証券、ゴルフ会員権など
借金など受け継いだ債務
葬式費用
非課税財(1.墓所、仏壇など2.国や地方公共団体、特定の公益法人に寄付した財産3.生命保険の非課税限度額4.死亡退職金の非課税限度額)
 生命保険も相続財産の対象!


贈与税の基礎知識

贈与税は、「暦年課税」制度と、平成15年に導入された「相続時精算課税」制度から選択できます。


どのくらい贈与すると、税金がかかるの?
「暦年課税」の場合・・・
その年の1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与を受けた財産の合計金額から、 基礎控除額を控除した残額に課税されます。基礎控除額は年間 110万円です。110万円以内であれば贈与税はかかりません。 1人につき110万円なので、110万円以内であれば何人にでも贈与できます。
子ども二人に10年間110万円贈与を続けると2200万円が無税

暦年課税ここがPOINT
例えば20年間100万円を毎年贈与し続ければ、 2000万円の贈与に対して無税ですが、「20年間、 100万円を受け取る権利を贈与した」とみなされ、贈与税がかかってくる可能性が高くなります。 毎年同じ金額にしないで、時々金額を増やし、贈与税を払うことも必要です。
また、贈与をする時は直接手渡すのではなく、必ず自分の口座から受贈者の口座へ振り込み、 贈与の証拠を確実に残すことが大切です。通帳と印鑑は受贈者が管理します。
イラスト


「相続時精算課税」の場合・・・
その年の1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与を受けた財産の合計金額から、 2500万円の特別控除額を控除した残額に、20%の税率をかけた金額の合計が贈与税額となります。 しかし、財産を相続する時には、贈与金額と相続金額の合計に相続税がかかってきます。
※65歳以上の親から20歳以上の子への贈与にだけ適用される税制です。


何にでも贈与税はかかってくるの?
基本的に、相続税がかかる対象と同じです。お金で売買できる財産にはかかってきます。 また、親子間で不動産の売買をした場合、時価よりも低い価格で売ったりした場合にも贈与税はかかってきます。

<贈与税のかからない財産>
法人から贈与された財産(所得税が課税される)
生活・教育費に当てるため扶養義務者からの贈与
一定要件に該当する公益事業者が取得した公益用財産
冠婚葬祭費用など。


平成15年度の税制改正で相続税・贈与税は何が変わった?

生前贈与1.「相続時精算課税制度」が新たに導入されました。
相続税と贈与税を一体化して課税するのが、「相続時精算課税制度」です。 65歳以上の親から20歳以上の子供への贈与については、2500万円まで 非課税になる特別控除が設けられ、相続する時に生前贈与された財産を相続財 産に組み込んで相続税を課税するという仕組みです2500万円を超えた場合は、 超えた金額に対して一律20%の贈与税がかかりますが、これは相続する時に相続税から引かれます。
 住宅資金特別控除の特例

ここに注意!
●「暦年課税」と「相続時精算課税」のどちらかを選択することになりますが、一度相続時精算課税制度を選択すると、同じ贈与者からの贈与は全て相続時清算課税の対象になります。暦年課税に戻ることはできません。
●相続時精算課税が利用できるのは親子間の贈与だけです。
●相続時清算課税を選択する場合は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に相続時清算課税制度を選択する届けを贈与税の申請とともにしなければなりません。

2.相続税・贈与税の最高税率が70%から50%に、税率区分も6段階に簡素化されました。
改正前と改正後の税率と控除金額


知っておきたいお得な知識

その1:税額控除を適用すると相続税額が下がる!

各相続人の相続税を算出した金額から税額控除を引いた金額が、納付しなければならない相続税の額です。 特に配偶者の税額軽減を適用すると、配偶者は税金をほとんど払わなくてもすみます。
相続税の税額控除は6つあります
1. 贈与税額控除・・・被相続人から生前3年以内に贈与があった場合に適用
2. 配偶者の税額軽減・・・被相続人の配偶者に適用
3. 未成年者控除・・・相続人が未成年のときに適用
4. 障がい者控除・・・相続人が障がい者のときに適用
5. 相次相続控除・・・前回の相続から10年以内に再度相続があったときに適用
6. 外国税額控除・・・外国にある財産を相続し、外国で相続税を払っていた場合に適用
 配偶者の税額軽減とは

その2:相続時精算課税を選択しないで相続税額が下がる例

暦年課税で毎年110万円を限度とする非課税措置を利用する方法や、「住宅取得資金贈与の特例」を利用する方法などがあります。ただし、この特例は平成17年12月31日まで適用される特例なのでお早めに。
詳しくはこちら→ 国税局ホームページ
(ただし、相続時精算課税と比べてお得になるかは、贈与する金額と相続税額に よって変わってきます)

暦年課税の非課税措置を利用した場合の例
(条件:法定相続人が1人で、3000万円の贈与を受けた後、7000万円を相続した場合)
同じ1億円を相続する場合でも、暦年課税制度利用すればトータル税額は310万円もお得


簡単で効果的な節税対策

相続税の節税の考え方には、1.「生前贈与」と2.「財産評価を下げる方法」の2通りがあります。 節税も大事ですが、相続争いが起こらないようにする対策も必要です。

1.生前贈与で節税―例:贈与するなら、収益物件がお得!
家賃収入が入るマンションなどの収益物件がお得です。現状の贈与税も相続税も、建物の収益は評価項目になく、 建物の固定資産税評価額が基本になっています。創設された「相続時精算課税」を活用すると、生前贈与されたマンションは、相続する時に相続財産と合わせて税金が課せられますが、贈与されてから相続するまでのマンションの家賃収入は相続財産にはならないので、お得です。これは土地も同様です。土地の評価額は下がりま せんが、駐車場などにして収益が生まれる土地のほうがお得です。
イラスト

2.財産評価を下げて節税―例:相続する土地に賃貸マンションなどを建てる
宅地に賃貸マンションなどを建てると、自由に処分できないという不便さが生じるため、その宅地の評価は下がります。 「その他の小規模宅地等の評価減の特例」が適され、評価額は面積200平方メートルまで50%割引になります。 また、その物件の中で被相続人が住んでいたのであれば、「特定居住用宅地等の評価減」を適用することができるので、 面積240平方メートルまで80%の割引になります。
イラスト

近畿地区の税務相談所
各税務署には税務相談室が設けられており、忙しい人のために電話による相談も行なっています。 (各税務署の規模によって、置かれている部門の種類や数が異なります。相談する内容の部門があるかどうかを事前に確認してください。)

大阪府 大阪国税局 大阪市中央区大手前1-5-6
TEL:06-6945-0030
京都府 上京税務署 京都市上京区一条通西洞院東入元真如堂町358
TEL:075-451-8222
兵庫県 神戸税務署 神戸市中央区中山手通2-2-20
TEL: 078-391-3000
奈良県 奈良税務署 奈良市登大路町81
TEL: 0742-23-7331
和歌山県 和歌山税務署 和歌山市湊通丁北1-1
TEL: 073-425-7444
滋賀県 大津税務署 大津市中央4-6-55
TEL: 077-525-0030
* 尚、最寄りの税務署については、前記の税務署に問い合わせてください。
(関西の税務署の所在地 http://www.nta.go.jp/category/syoukai/seat/7.htm
ページトップへ

新規会員登録(無料)