プレスリリース

2013年2月25日
関西電力株式会社

大飯発電所3号機B系非常用直流母線の一時的な運転上の制限の逸脱における原因と対策について

 平成25年2月6日14時33分頃、大飯発電所3号機(定格熱出力一定運転中)の非常用の直流電源1系統が一時停止し(14時34分復旧)、運転上の制限(LCO)から逸脱しました。
 運転上の制限(LCO)逸脱の原因は、運転員が教育中に非常用直流電源盤の扉を開けて説明していたところ、盤内の遮断器に接触し、遮断器が開放したため、非常用直流電源1系統が停止したものです。
 保安規定上、原子炉運転中は非常用の直流電源が2系統求められているため、当該直流電源の停止により保安規定で定める運転上の制限を逸脱したこと及び当該遮断器の再投入により運転上の制限の逸脱から復帰したことを、14時49分に判断しました。
 なお、本事象による運転への影響や環境への影響はありませんでした。

平成25年2月6日 お知らせ済み)

1.調査結果
 当日の状況について、関係者に聞き取り調査を行い、以下のことを確認しました。
 運転員の現場教育として、講師役の運転員は、当該電源盤の外観について説明を行った後、運転中の当該電源盤の扉を開け、充電器の起動・停止操作手順に基づきスイッチ等の機器を目視で確認する教育を行いました。その後、当該運転員は充電器の関連設備である非常用直流電源の遮断器が、同じ盤内にあることから、その遮断器についても説明を行いました。
 その際、当該運転員は、現実に即した説明が必要との思いから、目視での確認後さらに遮断器引出し(遮断器を系統から機械的に切り離す操作)を模擬することとし、当該電源盤の前に腰を下ろして遮断器に両手を伸ばした状態で、受講者がいる後方に顔を向けたところ、左手親指が遮断器引出し用操作レバーに触れ、遮断器を開放したことが分かりました。
2.原因
 今回、非常用直流電源が1系統停止したのは、当該運転員が教育のため当該遮断器に手を伸ばし、誤って遮断器引出し用操作レバーに触れ、遮断器を開放させたことが原因でした。
 運転中の遮断器に手を伸ばしたのは、今回の教育が機器操作を伴わないものであったため、教育時における運転員の設備に対する危機意識が薄れていたためと推定されました。
3.対策
(1)運転員の現場教育方法の見直し
運転員の現場教育について、以下の対策を実施します。
1運転員の現場教育のうち、機器の扉を開けて行う教育は、停止中の設備で実施します。
2危機意識を持って現場教育に取り組むよう、教育資料に対象設備および関連設備の危険性に対する注意事項、ヒューマンエラーに係る過去事例を記載します。また、当該教育資料に基づき、運転員は設備に対する危険性等を確認した上で教育を実施します。
(2)遮断器の接触防止対策
引出し用操作レバーなどに接触することで開放するおそれのある遮断器に以下の対策を実施します。
1接触防止のための注意喚起札について、目線に近く、大きなものを盤の表だけでなく盤内にも表示し、明確な注意喚起を行います。
2当該遮断器を含め、誤って接触した場合に遮断器が開放するレバー、スイッチ等があるものについて、保護カバーを取り付けます。

以 上

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