プレスリリース

2011年7月4日
関西電力株式会社

美浜発電所1号機非常用ディーゼル発電機シリンダライナの健全性確認結果の報告について

 当社は、原子力安全・保安院から、独立行政法人日本原子力研究開発機構高速増殖原型炉もんじゅ(以下「もんじゅ」という)の非常用ディーゼル発電機シリンダライナ※1の分解点検で、適切な油圧管理が行われず過大な応力がかけられ、ひび割れの発生に至ったという事象において、その原因・対策の調査過程で明らかになった材料への鉛成分の混入した可能性がある、当社美浜発電所1号機のシリンダライナについて、健全性確認等の指示を受け、本日、その確認結果をとりまとめ、原子力安全・保安院に報告しました。

 健全性確認では、2基ある非常用ディーゼル発電機(A号機、B号機)のシリンダライナ全てについて、もんじゅと同様に超音波速度測定※2による評価を実施しました。その結果、B号機のシリンダライナ16個中2個については、鉛成分の混入による強度の低下が認められましたが、美浜発電所1号機では、その構造上、ひび割れ等の損傷が発生する条件にないことが判りました。

 なお、非常用ディーゼル発電機の重要性を鑑み、強度の低下が認められた2個のシリンダライナについては、第25回定期検査において新品に取り替えました。

以 上

※1  シリンダライナ  :  ディーゼル機関の燃焼室を形成する筒状の部品。
※2  超音波速度測定  :  測定対象の片方の面に超音波の発信機を当て、発信した超音波が測定対象の反対面に反射し戻ってくる時間をもとに超音波速度を測定し、その値を基に強度を推定する手法。
【平成23年6月3日付 原子力安全・保安院からの指示概要】
 美浜発電所1号機において、もんじゅ事例同様に鉛成分が混入した可能性のあるシリンダライナを使用した非常用ディーゼル発電機が使用されていることから、当該シリンダライナの損傷防止のため、下記の事項について実施することを求める。また、その結果について1.及び2.については、7月4日までに、3.については実施後速やかに報告することを求める
  • 1.昭和62年2月から平成元年5月までに製造された鉛成分が混入した可能性があるシリンダライナの健全性の確認
  • 2.1.の確認において、健全性が認められなかったシリンダライナについて、当該シリンダライナの交換に係る工程表の策定
  • 3.2.において策定した工程表の着実な実施
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