プレスリリース

2011年1月11日
関西電力株式会社
朝日航洋株式会社

第二大飯幹線碍子取替工事におけるヘリコプターからの撤去物の落下にかかる原因と対策について

 平成22年12月17日、10時25分頃、関西電力の第二大飯幹線碍子取替工事で撤去した碍子取り付け金具が、朝日航洋のヘリコプターで運搬中に、福井県大飯郡おおい町犬見付近の山中に落下する事故が発生しました。
 また、同日12時25分頃には、同工事で撤去した碍子が、朝日航洋のヘリコプターで運搬中に、福井県大飯郡おおい町大島付近の海に落下する事故が発生しました。
 今回の事故により、地元の方々を含め、多くの皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。

平成22年12月17日 お知らせ済み]

1.調査結果
(1)作業状況
 碍子取替工事では、朝日航洋が、撤去した碍子や金具等をヘリコプターで仮設ヘリポートまで運搬していました。撤去物は、ネットに詰め、それをヘリコプターから地面に降ろしたフックに玉掛けワイヤーで吊り下げて運搬しており、その際に、撤去物が山中と海に落下しました。  
 なお、山中に撤去物が落下した後、当該作業を実施していた協力会社は、関西電力に事故の報告をすることなく、フック、玉掛けワイヤー等に問題がないことを確認し、作業を継続していたところ海に撤去物が落下しました。
(2)設備状況
 落下事故後に、フックや玉掛けワイヤー、ネット等を確認した結果、海に落下したネットに損傷があるものの、撤去物の落下に至るような問題はありませんでした。  
 フックは、本体部と玉掛けワイヤーを吊り下げるロードビーム、吊り下げた玉掛けワイヤーがロードビームから落ちないようにする役割のキーパーで構成されています。再現試験を行った結果、稀に玉掛けワイヤーがロードビームから外れ、キーパーのみに引っかかることで、キーパーが開放する方向に力がかかる事象や、玉掛けワイヤーがねじれ、キーパーが持ち上がる事象が発生し、玉掛けワイヤーがロードビームから抜けることがありました。  
 また、キーパーの可動部は、異物が挟まる可能性がある構造となっていることも分かりました。
2.推定原因
 ヘリコプターでの撤去物運搬作業中に、以下の事象のいずれかが発生することで、玉掛けワイヤーがフックから抜け落ち、落下したものと推定しました。
  • ・玉掛けワイヤーがロードビームから外れ、キーパーのみに引っかかることで、キーパーが開放する方向に力がかかった。
  • ・玉掛けワイヤーがねじれ、キーパーに上向きの力がかかることで、キーパーが持ち上がり、隙間が発生した。
  • ・玉掛け時、フックを地面まで降ろして作業を行うことで、キーパー可動部に枝や小石等の異物が挟まり、キーパーが浮いた状態となっていた。
3.対 策
 ヘリコプターでの運搬中に、玉掛けワイヤーがロードビームから外れない、かつねじれによりキーパーを持ち上げることのない形状のリングをロードビームに吊り下げ、そのリングに玉掛けワイヤーを接続します。  
 また玉掛けワイヤーとネットを繋ぐ部分に新たに異物が入りにくいロック式フックを接続し、そのフックにネットを吊り下げるようにします。それにより従来のフックを地面まで降ろすことが無くなり、キーパー可動部に異物が入るのを防止します。  
 なお、関西電力は、協力会社から山中に撤去物が落下した事故の報告がなかったことから、人身災害、供給支障に限らず、吊荷の落下等の事故が発生した場合でも、作業を中止し、関係箇所へ連絡することを再徹底します。

以 上

<添付資料>

プレスリリース