プレスリリース

2005年9月20日
関西電力株式会社

美浜発電所3号機の定期検査状況について(補助蒸気配管サポートの損傷)

 美浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット)は事故により停止中(第21回定期検査中)ですが、補助蒸気配管取替工事*1の準備作業として、9月12日から原子炉補助建屋・中間建屋への補助蒸気供給を停止し、隔離弁(2台)の取付作業を行っていました。
 隔離弁取付作業完了後の、9月16日15時47分頃から、原子炉補助建屋・中間建屋への補助蒸気供給元弁をわずかに開放して、補助蒸気供給を再開したところ、16時07分頃、タービン建屋1階を通行中の当社社員が大きな音を確認しました。
 このため、直ちに補助蒸気供給元弁を閉止したところ音は徐々に収まったことから、補助蒸気通気に伴うハンマリング*2であると判断しました。その後、16時30分に、当該供給元弁よりも上流側にある1,2号機からの補助蒸気供給弁を閉止したところ、17時頃にハンマリング音は収束しました。
 なお、念のため、ハンマリング音を確認した直後に、ページング放送にてタービン建屋への立入制限を行ないましたが、現場の安全性を確認したうえで、17時30分に現場立入制限を解除しました。
 その後、ハンマリング音が確認された範囲(タービン建屋1,2階面)の補助蒸気配管を点検した結果、補助蒸気配管のサポート2箇所が損傷(折損:1箇所、曲がり:1箇所)し、保温材3箇所の外れ等が確認されました。なお、同範囲の溶接部52箇所について浸透探傷検査を行ったところ、異常は認められませんでした。
 今後、補助蒸気配管でのハンマリングの発生原因等について調査を実施します。

以 上

    * 1 : 補助蒸気配管取替工事
      美浜3号機事故の再発防止対策として、人のアクセスする可能性のある配管(曲がり部等)をステンレス配管に取り替える工事。【平成17年8月29日お知らせ済】
  *2 : ハンマリング(水撃現象)
   

高温の蒸気が液体と接触し急激に冷やされると、蒸気が水に戻され急激な体積収縮が生じ、大きなエネルギーを持つ圧力波が伝播される現象。

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