プレスリリース

2005年9月14日
関西電力株式会社

風力発電所設計のための風車配置支援システム
(LAWEPS-Planner)の開発
~風車配置による発電量等への影響を自由自在にラクラク評価~

 関西電力株式会社(本店:大阪市北区、社長:森詳介)と、財団法人日本気象協会(以下JWAと略す。本社:東京都豊島区、会長:松尾道彦)は、風力発電所の建設において日本の複雑な地形や風に適した風車配置の検討を支援するシステム「LAWEPS-Planner(ローエプス・プランナー)」を共同開発し、JWAより販売を開始します。


 限られた風力発電所の敷地内に風車を配置するには、風車同士が互いに風を妨げ合うことがないように、その間隔や位置関係を十分検討する必要があります。特に日本のように複雑な地形においては、少し離れた場所においても風の強さや方向が大きく変化することから、敷地内の精密な風の流れを考慮に入れた風車配置の検討が必要です。従来は欧州などで開発された設計支援システムが使用されていましたが、これらの手法は平坦な地形を前提としていることから、その精度は十分とは言えませんでした。


 今回開発したLAWEPS-Plannerは「日本の複雑な地形に対応できるLAWEPS*の風況予測結果をもとに、自由自在に風車配置を検討したい」という設計者の要望を実現した、初めての設計支援システムです。風車の配置においては、一般的に風車同士の間隔を風車直径の5~10倍とすることが推奨されていますが、風の吹く頻度が少ない方向については、その間隔を縮めることができ、限られた敷地内により多くの風車を建設することが可能です。LAWEPS-Plannerは画面上に表示された地図情報や風の強弱を示す色分けを見ながら、設計者が対話形式で風車の配置を決めるもので、風車が風を妨げる範囲(シャドー)を表示する機能や、風車同士の干渉による発電ロス、風力発電所全体の発電量などの指標を逐次設計者にフィードバックすることで、設計者がさらに最適な位置に風車を移動させるという手順を繰り返しながら、配置の最適化を進めていきます。LAWEPS-Plannerの多彩な機能を使用することで、風車配置とともに最適な風車サイズ(単機容量)や台数などの基本設計も効率的に実施でき、期待発電量、あるいはこれに基づいた発電コストの算定など、事業性の評価にも大きな力を発揮します。


    *:LAWEPS
      複雑地形に対応できる風況解析手法の1つで、独立行政法人エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)が開発し平成15年度に一般公開されている。また「気象モデル解析結果の全国データベース」が整備されているため、風況観測を実施せずに風況を予測することもできる。

 LAWEPS-Plannerは、関西電力の風力発電所建設あるいはJWAが実施している風力発電コンサルタント事業で使用するとともに、10月よりJWAのホームページを通じて一般利用者への販売を開始する予定です。

以 上

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