プレスリリース

2005年5月24日
関西電力株式会社

ブータン王国における小規模水力発電プロジェクトの国連によるCDMプロジェクト登録について

 当社がプロジェクトリーダーを務め、e7(世界電力首脳有志の会議)※1のメンバー会社4社で実施している「ブータン王国における小規模水力発電プロジェクト」が、5月23日に国連CDM※2理事会により、CDMプロジェクトとして登録されました。国連によるCDMプロジェクトとしての登録は、国内の電力会社が関わるプロジェクトでは今回が初めてで、国内では3番目、世界では6番目となります。

 このプロジェクトは、e7からハイドロ・ケベック社(カナダ)、フランス電力会社、アメリカン・エレクトリック・パワー社と当社の4社が参加して、国内の電化率が20%程度にとどまっているブータン王国における電化を進めるものであります。
具体的には、首都ティンプーから約150km離れた険しい山岳地帯にある未電化のチェンデブジ村に、出力70kWの小規模水力発電所を建設し、村内の約50軒の住宅等を電化するもので、これまでにプロジェクトの環境影響評価、発電所の設計・建設※3に取り組んできました。
 現在建設中の発電所は7月末に運転を開始する予定で、運転開始後は発電所の発電電力量に関するデータをモニタリングし、CO2排出削減量を算定の上、国連CDM理事会からCO2クレジット獲得の承認を得るための申請手続きを行っていく予定であります。

 このプロジェクトは、ブータン王国にとっては初めてのCDMプロジェクトであり、同国の未電化地域の電化推進と、生活環境の向上に資するものと期待されています。
 また、e7および当社としては、このプロジェクトを通じて、ブータン王国の持続的発展に貢献するとともに、CO2クレジットそのものだけでなく、その獲得に関する知見・ノウハウを取得し、このノウハウをもとにCDMの国際ルールに関する問題点等について様々な提言を行うなど、地球温暖化防止の更なる進展に寄与していきたいと考えています。

以 上

※1 地球環境問題を中心に、電気事業に関するグローバルな問題について検討・協力することを目的に1992年4月に設立されたNGO。現在は、G7加盟国の電力会社9社で構成されており、日本からは東京電力と当社が参加している。
※2 Clean Development Mechanism[クリーン開発メカニズム]
※3 建設工事着工-2004年6月  建設工事竣工-2005年7月末(予定)

<参考:ブータン王国における小規模水力発電CDMプロジェクト概要>
実施場所 ブータン王国 チェンデブジ村 
(首都ティンプーから約150km東方)
概 要 小規模水力発電所(発電所出力70kWの流れ込み式発電)を建設し、未電化 村落の電化を実施する。
想定CO2
削 減 量
約500t-CO2/年間
プロジェクト
期 間
発電設備運転期間 発電所が運転を開始する2005年7月末から25年間(予定)
CO2クレジット獲得期間 発電所が運転を開始する2005年7月末から21年間(予定)
プロジェクト
参加企業
関西電力(日本)、ハイドロ・ケベック社(カナダ)、フランス電力会社(仏国)、アメリカン・エレクトリック・パワー社(米国)
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