プレスリリース

2004年1月21日

「高効率空冷式チラーユニット」の共同開発について~空冷式チラーユニット※1としては世界最高水準のCOP4.1を実現、本年3月より販売開始~

 当社はこの度、東京電力株式会社、中部電力株式会社、株式会社日立空調システムと共同で、ビル空調、工場空調等に使用する空冷式チラーユニットの分野において世界最高水準のCOP※24.1/3.7(冷却能力160/180kW:50/60Hz)の空冷式チラーユニット(ヒートポンプタイプ/冷却専用タイプ)を共同開発いたしました。

 近年、テナントビルや工場などにおいては、エネルギーコストの低減ニーズに加え、オゾン層を破壊しない冷媒の採用やCO2排出量の低減を目的とした地球に優しい省エネルギー製品の導入意識が高まっています。
 今回の開発機は、そうしたお客さまニーズにお応えするために、オゾン層を破壊しない冷媒「R407C」※3を採用し環境負荷を抑えるとともに、以下のような新技術の採用により効率向上を図り、大幅な省エネルギーとランニングコスト低減を実現いたしました。

冷媒圧縮機内のローター間およびローターと外部ケーシングの隙間を小さくし、冷媒の漏れを少なくする「高精度スクリューローター」の採用による圧縮機効率の向上。
空気熱交換器において、冷媒が通過する伝熱管の延長化ならびに配置構成の改善による熱交換効率の向上。
水熱交換器において、冷媒と水の熱交換を行う伝熱プレートの最適化を図ることによる熱交換効率の向上。
空気熱交換器に空気を送り込むファンの羽根形状を改良した高効率ファンの採用による高風量化の実現。

 これにより、日立空調システム同容量従来機(COP3.4/3.1)と比較して、冷却COPにおいて約20%の効率向上が図られることになり、お客さまのランニングコストも年間10%程度の削減が可能となります。また、年間のCO2排出量も10%程度削減し、高い環境性を実現いたしました。

 電力各社は、エネルギー間競争が激化する中で、お客さまから選択していただけるように、幅広いニーズにお応えするソリューション営業力の強化に取り組んでおりますが、今回の、より環境性が高く省エネに優れた高効率空冷式チラーユニットの開発により、新規物件並びにリニューアルの計画を含めた幅広いお客さまのニーズにお応えしてまいります。

 日立空調システムは、本年3月から販売開始し、年間200台以上の販売を目指します。製品価格は、当開発機(冷却能力160/180kW:50/60Hz)で25,800千円。製品ラインアップとしては、冷暖兼用の「ヒートポンプタイプ」と「冷却専用タイプ」の2タイプをご用意いたします。
 なお、当製品につきましては、本年2月に開催される展示会「HVAC&R JAPAN 2004(主催:(社)日本冷凍空調工業会)」※4の中で紹介する予定です。

※1 チラーユニット: ビル空調、工場空調等に使用する冷温水を生成する機器
※2 Coefficient of Performance: COP=(冷・暖房能力/消費電力)値が大きいほど省エネ性が高い
※3 R407C: オゾン層破壊係数ゼロのHFC(ハイドロフルオロカーボン)系冷媒。
※4 「HVAC&R JAPAN 2004」
 (ヒーバックアンドアールジャパン)
第33回冷凍・空調・暖房展     
2004年2月3日(火)~6日(金)10:00~17:00
(最終日は16:00まで)     
東京国際展示場(東京ビッグサイト)
西展示場(西1ホール・西2ホール)     
主催:社団法人日本冷凍空調工業会
http://www.sovic.jp/hvacr/

以 上

<参考資料>


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