~都市ガスを燃料とした1kW発電(AC)に成功、世界最高レベルの発電効率達成~"> ~都市ガスを燃料とした1kW発電(AC)に成功、世界最高レベルの発電効率達成~"> 低温作動固体酸化物形燃料電池(SOFC)の1kW級発電システムを開発~都市ガスを...|2004|プレスリリース|企業情報|関西電力

プレスリリース

2004年1月13日

低温作動固体酸化物形燃料電池(SOFC)の1kW級発電システムを開発
~都市ガスを燃料とした1kW発電(AC)に成功、世界最高レベルの発電効率達成~

 関西電力株式会社と三菱マテリアル株式会社は共同で、低温作動(※1)固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の「1kW級発電システム」を開発し、都市ガスを燃料とした1kW(AC)の発電実験に成功しました。また、この際、発電効率は現在の世界的水準である25~30%(※2)を大幅に上回る、発電効率40%(※3)を達成しております。さらに、SOFCの排熱から90℃の温水として熱を回収することにも成功し、将来の高効率な燃料電池として実用化・商品化へ向けて大きく前進しました。

(※1)作動温度800℃以下を指す。通常のSOFCは1000℃付近で作動する。
(※2)Sulzer Hexis社(スイス)、Global Thermoelectric社(カナダ)の実績値。  
(※3)発電効率は低位発熱量(LHV)を使用。   

 今回開発した「システム」は、すでに開発済みであった(※4)「モジュール」(発電システムを構成する基本構造体)をベースに、インバータによる直流から交流への変換機能、都市ガスの脱硫機能ならびにSOFCから排出される高温排熱を回収する機能を備えたものです。これに先立ち実施した「モジュール」単体による発電試験では、発電効率50%を達成しております。また、「モジュール」を構成する「セル」(発電反応を担う部材)について、1200時間の「セル」単体による耐久性試験を実施し、電圧低下率が0%と他の燃料電池に比べて非常に劣化の少ないことを確認しています。

                       (※4)平成15年5月7日お知らせ済。

 両社は、安定性と環境性に優れ、発電効率が高い燃料電池として、将来的には家庭用小型電源から火力発電所の代替用まで幅広く適用できる点に着目して、平成9年にSOFCの研究を開始しました。特に、商品化・実用化を睨み、電池の材料の一部に安価なステンレスなどの金属を使えるようにして、大幅なコストダウンを図るため、「低温作動化」に重点をおいて開発に取り組んでまいりました。

 SOFCは、PAFC(リン酸形燃料電池)やPEFC(固体高分子形燃料電池)といった他の形式の燃料電池に比べ、非常に発電効率が高い上、電気と熱を同時に供給するシステムとして実用化すれば、他のどの分散型電源よりランニングコストが安くつく電源として、既存のシステムに置き換わる可能性のある燃料電池です。今後は、「セル」や「モジュール」の更なる高性能化に取り組み、平成18年度末を目途に「数十kW級システム(中型店舗や小工場等向け)」の実用化・商品化に取り組む予定です。

以 上

<参考資料>


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