プレスリリース

2001年12月26日

コモックス社におけるMOX燃料加工の中止について

 当社は、元請けメーカである原子燃料工業(株)を通して仏国コモックス社にMOX燃料の加工を発注しました。加工開始にあたっては、原子燃料工業に実施させた事前監査の結果を再確認するとともに、平成11年9月に発覚したBNFL製MOX燃料データ問題の反省点を踏まえ、原子燃料工業による常駐体制の充実を指示する等の対策をとったうえで、平成11年11月よりメロックス工場にて加工を進めておりました。

 平成11年12月にBNFLデータ問題で新たな不正が発見されたことから、当社はメロックス工場でのMOX燃料加工にも更に慎重を期すため、加工を一時中断しました。平成12年2月に当社自らがメロックス工場への監査を行い問題ないことを確認したうえで、当時は輸入燃料体検査制度の改正について議論もなかったことから、同年同月に加工を再開しました。さらに、平成12年3月には当社の検査および監査が品質保証の手順に則ったものであることについて第三者機関の確認を受けるとともに、慎重を期すためにできるだけのことは行うという観点から、同年同月以降は当社社員も現地常駐を行いました。

 通商産業省(当時)は、BNFLデータ問題を踏まえて「BNFL社製MOX燃料データ問題検討委員会報告」を平成12年6月にとりまとめました。その中で輸入燃料体検査制度の改善が提言されたことから、当社は対応を検討すべく同年7月より加工を再度中断しました。その後、通商産業省は、輸入燃料体検査に関する電気事業法施行規則を同年7月に改正し、燃料体検査の申請書に品質保証に関する説明書の添付を義務づけるとともに、海外でのMOX燃料加工における品質保証活動に関する要求事項を示しました。

 これを受けて当社は、既に加工を開始していたメロックス製MOX燃料に関する品質保証活動が十分な内容であることを通商産業省へ説明し、当該MOX燃料が合格とされるべき品質を有している根拠を示しながら、1年以上にわたって説明を尽くしてきました。この程、経済産業省の最終判断を仰ぐ時期に来たと考え、当社から輸入燃料体検査合格の可能性について問い合わせを行い、同省より、上記の海外でのMOX燃料加工における品質保証活動に関する要求事項に照らして「関西電力自らがメロックスへの事前監査及び評価を行うこと、製造期間を通じてメロックスへ社員を派遣し、製造状況及び品質保証活動について確認を行うことが満たされていると確認できないため、今後検査申請が行われても合格とすることはできない。」旨の回答を受領しました。

 当社が当該MOX燃料の使用を断念する場合には、当社プルサーマル計画が遅延するとともに約60億円の負担が見込まれますが、当該MOX燃料の品質に問題はないとする当社主張が受け入れられない旨の経済産業省の回答は、原子力安全規制行政を担う官庁としての最終のご判断と受け止めました。プルサーマルの推進は国をあげて取り組む必要があることを勘案するとともに、地元の皆さまを含め社会からの信頼を確保する観点から、既に開始していたメロックス製MOX燃料の加工を中止することを当社は決定致しました。

 なお、当社の今後のプルサーマル計画につきましては、品質検査データに不正が発覚しましたBNFL製MOX燃料8体を、高浜発電所4号機から英国BNFL社へ早期に返送できるよう引き続き努力してまいりますとともに、次期装荷計画については、返送確定後、地元をはじめとする皆さま方のご理解を得つつ検討することと致します。

以 上  

<参考資料>


プレスリリース