プレスリリース

1998年4月27日

フィリピン水力卸発電事業への参画について

 当社は、本日の取締役会において、フィリピンにおける水力卸発電事業プ口ジェクトヘの参画を決議いたしました。日本の電力会社が、海外における卸発電事業に参画するのは、初めてのこととなります。

 当社では、かねてより東南アジアでの民間インフラ事業を視野に、海外事業展開の検討を進めて参りましたが、このほど、丸紅株式会社および米国のサイスエナジー社との3社で、フィリピンにおける水力卸発電事業プロジェクトに出資することで、基本合意に達したものです。

 本プロジェクトは、フィリピンによる民活プロジェクトであり、ルソン島北部のパンガシナン州北部にダム式水力発電所(出力:345MW)を建設し、2003年に運転を開始する卸発電事業です。
 プラントの建設・運営については、本プロジェクトのために設立されたサンロケパワー社が主体となり、25年間操業後、フィリピンの電力公社にプラントの所有権を譲渡するBOT(Build 0perate and Transfer)方式で実施されます。

 当社の参画にあたっては、新たに海外事業に関する統括的持株会社として「株式会社関電インターナショナル[仮称]」(関西電力全額出資)、更に、当該子会社の出資により、アジアでの発電事業に特化した単一事業目的のシンガポール法人「KPIC Singapore,Ltd.(ケーピック・シンガポール・リミテッド)[仮称]」を設立し、同法人がサンロケパワー社へ出資いたします。

 本プロジェクトについては、出資方法、融資方法、建設請負契約などにおいて、様々なリスク対策を行っておりますが、さらにフィリピンの民活法(BOT法)により保護されていると共に、地震・干ばつ等様々なリスクを政府がカバーすることとなっているため、安定した収益が得られるものと期待しています。
 加えて、フィリピンにおける電力インフラ整備への貢献や、再生可能エネルギー活用による地球温暖化対策の面からも意義があるものと考えております。

 当社としては、今後とも、新たな現地法人なども活用しながら、海外事業を推進していきたいと考えております。
 なお、準備が整い次第、新会社を発足させ、5月中にも参画各社による協定書に調印する予定です。

以 上

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