海やプールで泳いだり、家族で旅行に出かけたり、花火を楽しんだり、楽しいことでいっぱいの夏がもうすぐやってくるね。楽しいことばかりならうれしいけれど、強い風と雨でみんなをこまらせる「台風(たいふう)」がやってくるのも夏なんだよ。今回は、台風が発生する仕組みや台風の進み方、台風がやってきたときに気を付けることを学んでいこう。

台風はどこで、どのように発生するの?

夏から秋にかけて、強い風やたくさんの雨でみんなをこまらせる台風は、日本から遠く南に離れた赤道(せきどう)に近い、あたたかい海で発生しているんだ。南のあたたかい海は、水の温度が高いことから、雲のもとになる水蒸気(すいじょうき)ができやすいんだよ。
たくさんの水蒸気が集まってできた雲は、雲どうしがくっつくなどしながら、どんどん大きくなっていき、うずまき状の大きな雲のかたまりになっていくんだ。そして、その雲のまわりの風の強さが「1秒間に17m進む速さ」(17m/s)以上になったものを「台風」とよぶんだよ。

台風の発生から、台風が消えるまで

雲のかたまりが台風になるまでの間のことを「発生期(はっせいき)」といい、
海からの水蒸気をたくわえながら、成長し続けていくんだ。台風が生まれてから、もっとも勢いが強くなるまでの間のことを「発達期(はったつき)」というんだよ。
風がもっとも強くなると台風は「最盛期(さいせいき)」に入り、高い空を流れる風に乗って、南の海から北に向かって進みはじめるんだ。そして、台風の力が弱くなって、消えてしまうまでの間を「衰退期(すいたいき)」というんだよ。最後に台風は「温帯低気圧(おんたいていきあつ)」に変わって、やがて消えてしまうんだ。

台風はどうやって進むの?なぜ日本に来るの?

台風はグルグルとうずをまきながら、海や陸の上を進んで行くものだけど、自分の力で進んでいるわけではないんだ。台風を動かしているのは、空を流れている風なんだよ。台風もほかの雲と同じように、風の流れに乗って進んでいるということだね。
ただし、空を流れる風の力が弱いときには、地球の「自転(じてん)」のはたらきによって、台風は北に向かって進んでいく傾向(けいこう)があるよ。
では、なぜ日本に台風がやってくるんだろう?日本に台風がやってくることが多いのは、夏から秋にかけての間だよね。じつは、台風は春や冬にも発生しているけれど、春や冬に発生する台風は、東から西へ向かってふく風に乗って、フィリピンやベトナム、中国南部に向かってへ進んでいってしまうから、日本にはあまりやってこないんだ。
夏から秋にかけて発生する台風は、春や冬に発生する台風よりも、緯度(いど)の高い場所で発生していて、「偏西風(へんせいふう)」という強い風に乗って、北東に向かって進むことで日本にやってくるんだよ。でも、あたたかい季節になると、日本の空は「太平洋高気圧(たいへいようこうきあつ)」というあたたかい空気のかたまりにおおわれるから、台風が発生しても、それをよけて進んでいく特徴から日本を直撃(ちょくげき)しないこともあるんだ。でも、太平洋高気圧が弱くなってくる8月ごろから、日本にやってくる台風が多くなるから注意しようね。

「台風の目」はなぜできるの?

うずまきのような形をしている台風の中心には、ぽっかりあながあいたように、雲のない場所ができているよね?その部分のことを「台風の目」というんだ。台風は、中心に向かって「反時計回り」に強い風がふいていて、中心に近づくほど、風は強くなっていくんだよ。そして、中心では空気がとても早く回転(かいてん)しているため、その遠心力(えんしんりょく)によって雲が外にはじき出されてしまうんだ。そうやってできた台風の目は、風がふかない場所になることから、そこだけお天気がよくなっていることもあるんだ。
台風の目にあたる場所は、一時的に風や雨が弱くなったりするけど、台風が通過するとまた風や雨が強くなるから注意が必要だよ。

(2016年5月時点の内容です)

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