寝ている間にいったい誰が?

「あ、消えた、停電や」「懐中電灯、どこ?」

9月、超大型台風が、関西地方を直撃。
加藤さんの家では晩御飯を食べ終え、今日ばかりは早めに寝ようと準備をしていた矢先のことでした。
武司くんは突然の暗闇に少しおびえていましたが、懐中電灯をつけると少し安心した様子です。
窓の外は変わらず雨風が強く吹いていますが、さっきとは違い、外も真っ暗闇。
「停電って、ちょっとこわいけど、なんかちょっと楽しいなぁ」
「でもこのまま電気がつかんかったら、テレビも見られへんよ」
「そんなん困るー!はよ電気ついて!」武司くんは祈りながら、眠りにつきました。

その頃。
前日から泊り込みで待機していた作業員の高橋は、電柱が倒れ、電線が切れた現場に到着していました。
風雨が吹き付ける暗闇の中の作業。いつも以上に気を使わなければならない現場です。
細部に注意を払いながら、夜を徹して作業は続けられました。

翌朝。いつもよりも武司くんは早起きしました。窓の外には青空も見えます。
「お母さん!電気、ついてるわ」
さっそく明かりをつけ、テレビをつけ、電気がつくことを確かめる武司くん。
「寝てる間に、誰かが直してくれたんや」
武司くんは楽しみにしていたテレビ番組にチャンネルを合わせました。

今日もいつもどおりの朝が始まります。



掲載されている物語は実際の活動や出来事を元にしたものです。
登場人物は全て仮名です。

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