黒部ダムにかかる虹

「おじいちゃんがこれ造ったの?すごいよ!」
小学5年生になるさとるくんは、水しぶきが霧のように舞い上がる黒部ダムの放水を見ながら
感嘆の声を上げていました。さとるくんの隣にいるのは、曽祖父にあたる沢田さん。
沢田さんは、黒部ダムの着工から完成までの7年間、この世紀の一大プロジェクトに携わっていました。
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関電トンネルが開通したときのことは、今もはっきりと覚えています。
わずか80mの破砕帯の突破に7ヶ月もかかり、工期が遅れに遅れ、焦りと不安で夜も眠れないこともありました。
長野側から掘り続けたトンネルがようやく貫通し、
黒部の冬の冷たい風がスーッと入ってきたあの瞬間の喜びは忘れられません。
仲間と歓声を上げ喜んだと同時に、あらためて『絶対に完成させるぞ』という強い気持ちがわいてきたんです。
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黒部ダムにかかる虹を眺めながら、さとるくんから次々と投げかけられる質問に笑顔で答えていました。
その顔には、黒部ダムを完成させた”一千万人のうちの1人”としての「誇り」が刻まれていました。



掲載されている物語は実際の活動や出来事を元にしたものです。
登場人物は全て仮名です。

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